NEXT HORIZON・Shu Land Annexフォトギャラリーブログ・オダギ秀の眼差しとモノローグ。

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駆け落ち。 23:54



信号待ちで車を停め、何となく右窓の外の、明るいウィンドウを見ていた。 
むかし、ここには小さなスーパーがあった。いまは何屋さんなんだろ、なんて思った。 
ホントに若い頃、ボクらはフォークソングを歌う集団を作って群れていた。 
仲間にあの娘がいて熱心に歌っていたが、ふいに姿を見せなくなった。あの娘が、ここのスーパーの息子と駆け落ちしたと伝わってきた。若かったボクらは、どう対処していいものかも判らず、うろたえたワケではないが、ただ口を閉じた。 
あれからどのくらいの歳月が過ぎたろう。いつもニックネームで呼んでいたあの娘の、名前も呼び名も思い出せない。どうしているか。

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解体。 23:56



ほんの数日前に通った時は何でもなかった大きな建物が、今日は解体作業の最終段階に入っていた。 
瓦礫になってみると、建物であった時より、何故か遙かに存在感がある。
片付けられることに、必死で抵抗しているようだ。


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貨車。 23:54



畑の隅の草むらに、貨車が置かれている。 
何を運んでいたのか、何を入れているのか、ボクは傍らの道を通るたびに訊ねるのだが、返事があったことはない。 
返事があったとしても詮無いことで、ひょっとしたらボクは、何か同情でもできることがあるとでも思っているのだろうか。貨車にとっては、余計なことだ。

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根。 23:59



裏道を行くと、道端の林の木が切られ、根が掘り起こされていた。 
車を停めるとしばらく周囲を歩き、眺め廻し、シャッターを切った。 
だが、ボクは、自分がどうしてこの大きな山積みの根に興味を持ったのか、どうも判らない。 
自分の気持ちにしては複雑過ぎるのに。

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笑顔。 23:55



行きずりにでも、笑顔を向けられると、ちょっと嬉しい。が、 
それにも、コミュニケーションを好くするためには、ハウツウがある。 
じつは、笑った顔を向けるのでなく、顔が合ってから笑顔になると、相手はずっと嬉しくなるのだ。今日は、やってごらん?

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五月の雨。 23:55



朝からずっと降り続けている。寒い。 
今頃の雨は、こんな責めるような雨じゃなかったと、なんとなく思いながら車を走らせる。 
山崎まさよしは、どんな風に歌っていたんだっけ、などとも思う。 
五月の雨の中、♪心は何処に行けばいい?

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手延べ板ガラス。 23:55



日光の古いレストランで食事をしていて、窓に眼をやると、外の景色が陽炎のように歪んで見えた。手延べの板ガラスが入っている。 
詳しいことも真偽も知らないが、吹いて円筒にしたガラスを、開いて板にすると言う昔の製法で作った板ガラスで、製作には大変な熟練技を要したらしい。表面には凹凸が残り、当然、今はまったく手に入らない。 
眺めていると、ガラスに、作った人の影を感じてしまうが、感じ過ぎだろうか。

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花撮り。 23:55



疲れた時には花撮りがいい、などと言いながら、花を撮る。 
付き合わされる花にとっては、迷惑な話だ。 
でも、大抵は文句も言わず耐えてくれるから、有難いと思うことにする。

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道連れ。 23:59



道端に、長いこと旅をして来て、一休みしているような石仏さんがおわした。 
何も語らなくとも、そこはちゃんと、気持ちが伝わり合っているみたいだ。 
ボクも傍に腰を下ろして、ご一緒させていただこうかと思ったが、ボクはボク、もう少し独りで歩いてみますよと、先を行く。

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花だいこん。 23:59



主のいない、ひっそりと放置されたようなお宅を守るように、むらさきの花だいこんが咲いている。 
子どもの頃は、平和を願って種を広めていると言う話に感動していた。 
今はどこでも見られる雑草のような花になったが、ボクは、この、日陰に咲くすみれのような花だいこんが好きだ。 
そう言えば、花だいこんの種を広めた石岡市の山口さんの薬局、震災で被災したと聞いたが、復旧されたのだろうか。 

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