NEXT HORIZON・Shu Land Annexフォトギャラリーブログ・オダギ秀の眼差しとモノローグ。

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
破れた鉄条網。 03:30



船着き場の隅に、破れた鉄条網が。
何を隔てていたのか。もう、隔てなくていいのか。

若かった日には、悲しくてやりきれないと唱った。
胸にしみる 空の輝き 遠く眺め 涙を流すと、あの頃は唱った。
そんな日々が、どれほど輝いていた日々であったのか、知らずに時が流れた。
  Would you know my name if I saw you in heaven?
  Would it be the same if I saw you in heaven?
                    写真展「Tears in heaven」2002 から
              (by Sato Hachiro & Eric Clapton)
| Tears in Heaven | comments(9) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
塀の上。 05:18



その豪商は、鉄道駅から自分の家までの数キロほど、他人の土地を歩かずに帰れると言われたほどの土地持ちであった。今もその雰囲気は十分残している。
屋敷の土蔵を囲む塀の上には鉄の槍のようなものが林立し、それはそのまま、必死に身を守る恐怖心を表しているようで、曇り空に立つそれを見上げると、やりきれない思いがする。
空から襲ってくるのは、 風神か雷神か、それとも天空の龍か、血を分けた親族か。
| Tears in Heaven | comments(10) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
もうひとつの坂道。 04:01



その坂は、俯いて歩くのが似合った。
ゆるやかなその上りは、いつも、その先に、希望があるのか絶望があるのか、わからないような表情を見せていた。
だから、辛い時には、辛さがいつまでも続くような気がして、回り道をしてしまうのだ。
| Tears in Heaven | comments(3) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
太郎坂。 03:53



坂の途中に、印刷屋があった。
若い時、その印刷屋の年輩の営業マンに、急に仕事を頼まれた。
仕事が済むと、坂の上の寿司屋に連れて行かれ、しばらく寿司を食べたら、「仕事代を寿司で払っちゃうんだから、オレも味があるよなあ」と言われた。
エッと思ったが、当時は、そんなものかと納得してしまった。
三年ほど前、写真展の作品撮りにその坂に行ったら、印刷屋はなくなっていて、ほろ苦さだけが残っていた。

                          「Tears in Heaven」2002 から
| Tears in Heaven | comments(4) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
| 1/1 |