NEXT HORIZON・Shu Land Annexフォトギャラリーブログ・オダギ秀の眼差しとモノローグ。

| CALENDAR | RECOMMEND | ENTRY | COMMENT | TRACKBACK | CATEGORY | ARCHIVE | LINK | PROFILE | OTHERS |
天狗の山。 23:55




久し振りに、天狗が棲むと言われた山に登った*。
この鳥居の先を上がると小さな石の祠が13あり、13の天狗の領域に入る。朝のうち降っていた雪は雨になっていたが、雲の中の山頂には、天狗が、今もひっそりと身を潜めている気配が漂っていた。
また撮りたい衝動に駆られてしまうのは、天狗たちの仕業なのかも知れない。

          *「仙境異聞」について http://blg.pm5.jp/?eid=195660#sequel

| 写真展「仙境異聞」から | comments(9) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
祠。 02:29




十三の天狗が棲んでいたと言う伝説が残る山には、十三の小さな祠が残されている。
人々は、長い歳月、伝説を信じ、天狗に祈って来た。
だがいま、祠に掌を合わせても、天狗は見えてこない。天狗とは何であったのか。
何故か、ふたたび天狗を求めたい衝動に駆られている。
   ※「仙境異聞」について http://blg.pm5.jp/?eid=195660#sequel

| 写真展「仙境異聞」から | comments(2) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
狛犬のしめ縄。 08:26



天狗が棲んだという山の頂の神社には、猛々しい姿の狛犬が左右にいて、いつも首輪のようにしめ縄をしている。
気取らず、きりっと勇壮なこのしめ縄が、清々しくてボクは好きだ。
鬱蒼とした木立に囲まれた静かな神社の境内なのだが、このしめ縄だけは躍動感があって、眺めるだけで元気が出る。
| 写真展「仙境異聞」から | comments(3) | - | posted by オダギ 秀 - -
白い闇が晴れて。 05:18



天狗の棲んだ山で、黒い闇が明けると、白い闇に包まれていることがある。
夢のつづきを見ているような気分になるのだが、やがてそれも晴れていくと、古木の間のひんやりした冷気がカメラを濡らす。
その頃になると、麓から登ってくる人が何人かはいて、次々に挨拶を交わす。
挨拶を交わすのはすごく人間的な行為なのだろう、ボクは、急速に、仙境から日常に連れ戻されるのだ。撮影はあと何分で切り上げてとか、今日のスケジュールはとか、頭の中は色々な思いが交錯し始めて、天狗の呪縛は、うわの空の彼方に解けていく。

                           「仙境異聞」から
| 写真展「仙境異聞」から | comments(2) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
岩のような天狗。 04:52



天狗が棲んだという愛宕山の話を続けたい。
山頂に登ると、古木に囲まれて、十三天狗の小さな石の祠がある。
その傍らで、ボクは、牛のようにうずくまる、岩のような天狗に会った。
「やあ」と挨拶されたような気がしたから、ボクは「はい」と返事をする。
秋深まる山中は、枯葉が音立てて騒いでいる、ざわざわ、ざわざわ。

                         「仙境異聞」から                      
| 写真展「仙境異聞」から | comments(5) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
天狗の山の夜明け。 02:03



昨年の今ごろは、12月の写真展の作品撮りで、夜明け前から、よく岩間の愛宕山という山に登った。
天狗が棲んだと伝えられる幽境を、自分なりの表現で捉えたかったからだ。
朝四時ごろの愛宕山はもちろん暗闇の中で、それほど大きな山ではないのだが、古木に囲まれた暗黒の中の寂寥感は想像以上のものがあり、寒さと恐怖に震えた。
やがて空から光の筋が射してくる。その瞬間の安堵感は、涙が出るほどであった。
闇に恐怖し光を喜ぶ自分を、あの瞬間ほど生きていると感じたことはない。
続きを読む >>
| 写真展「仙境異聞」から | comments(18) | trackbacks(0) | posted by オダギ 秀 - -
| 1/1 |