粒不揃い。 | 23:55 |
また一年が過ぎたか。
浅草近くに住む大学の同級生が、毎年、銀杏(ぎんなん)を送ってくれる。自宅近くの寺々を巡る散歩をしながら、拾い集めた銀杏を、丁寧に仕上げてくれるのだ。その銀杏が、今年も届いた。
銀杏は、正確にはイチョウの実の種の核だが、あまりに臭く、拾い集めるのはちょっと辛い。さらに、果肉から取り出し綺麗に洗い天日干しするのは、強烈な臭さで何とも大変な作業となる。彼のご家族からは、「もう止しなさいよ」と、何度も言われたに違いない。
彼の銀杏は、よく見ると色も形も大きさも様々で、彼が昔の同級生たちを思いながら、一粒一粒、あちこちで拾い集めてくれたのがわかる。こんな心のこもった嬉しい銀杏はない。だから、一粒食べようとするたびに、つい合掌してしまう。